国重要無形民俗文化財 「花田植え」
中国地方の山間の農村では、古くから農村の伝統芸能として、神楽、花田植えが競演されていました。山県郡北広島町壬生には、古くから囃子田という行事がありました。田植えをするときにささらを持ったさんばい(三拝)の指揮で、大太鼓や小太鼓、笛や手打鉦で囃子、早乙女が唄を歌いながら稲を植えていく、これは田の神の祭りで稲作の豊穣を願う農耕儀礼であると同時に苦しい田植え仕事を楽しくする方法でもありました。
囃子田は、次第に盛大になり、参加する中に。牛を豪華な花鞍で飾りさらに造花をまとい、早乙女は絣の着物にアカネの襷、花のついた菅笠と、その様子があまりにも美しいので「花田植え」と呼ばれるようになりました。
芸北一帯から愛好家が参加し、飾り牛も十数頭、楽人や早乙女二百余名という豪華さで四方の新緑の山々と相英し、絢爛豪華な初夏のイベントとして現在に規模は小さくなりながら受け継がれています。