佛通寺は、1397年小早川春平が遇中周及を迎え創建した臨済宗の禅刹です。
新緑の山はさわやかだ、青い雑木林、小鳥の声を聴きながら山道を下ると、谷底のような渓谷に、佛通寺川が流れ佛通寺の伽藍が広がる。しんみりとして渓谷沿いに居並ぶ石塔の古道を歩くと、やがて屋根付き橋にかかる。この寺の特徴は、二つの屋根付き橋がある。その一つは「巨蟒橋」もう一つ下流にかかるのが「猿飛橋」、それにしても二つの屋根付き橋を持つとは、随分と贅沢なお寺だ。
「巨蟒橋」 佛通寺の渓流は、古来「活龍川」と呼ばれ本寺の結界である。橋を渡るものは一切俗塵をを捨てる。不心得者が橋を渡るとすると、どことなく蟒蛇が現れ威嚇するといわれる。
巨蟒橋を渡ると山門の四脚門がある。正面に法仏殿、後ろに大方丈、小方丈、客殿など伽藍は広く掃き清められた庭、砂利模様の中に袴腰鐘楼が立つ、にくいほどの美学、仏の庭はっ静寂の中に華麗にたたずむ。
周囲の新緑が、赤く燃えるもみじの時期になると、紅葉の佛通寺として多くの観光客を迎えるが、山寺は新緑に映える。このさわやかさが好きだ。