寺山に自然公園を作ろう。こんな話が持ち上がって5年になります。町の西部の片隅にある、小高い丘のような山を町の人は「寺山」と読んでいます。
行政は、この山の頂の一部を削って、県立可部高校を移転し、やままゆの里公園を造成し平成20年4月に完成しています。この事業により、寺山の半部は美しく整理されましたが、残る半部約6ヘクタールは、手づかづのまま荒廃の状態で取り残されています。
最も残された一部の理由として、この地には多くの歴史が残されています。高松城・熊谷城主の別邸が今は祠として、また観音堂、地元の八幡神社、稲荷神社、ごめん観音、耳観音、頂上付近には水晶が採掘された水晶谷、貝塚、戦時中の監視廠跡など、昔を知る人には歴史と風土の眠る寛ぎの空間でした。
この荒廃した山に、今住んでいるのは、猪、鹿、狸などの野生の動物で、この動物のもたらす弊害は、山の木を枯らすだけでなく、ダニを繁殖させ人を寄せ付けなくしています。だから山の頂近くを切り開いて、樫の森としてやままゆを育てている「可部やままゆ同好会」の会員以外は、この山に入る人はほとんどいません。
その同好会の会長「小田 貢」さんが、残る自然林を整理し、登山路を造り誰もが自然と楽しみながら、散策できる自然公園をつくろうとの永年の計画が実現し、今回10の諸団体が参加して「寺山公園をつくろう会」が設立された。
平成20年9月2日、10の構成団体から実行委員を募集し、現地においての現状調査の第一歩がスタートした。この山に踏み込むのは60年ぶりのことです。当時「禿山」と呼ばれた山肌には、雑木が茂り、戦後の植林ブームによって植林された杉の倒木が道をふさぎ、孟宗竹が根を伸ばしてうっそうと茂り、若竹は猪、鹿を育て、狸の住まいの洞窟が点在するなど予想以上の荒廃です。
平成20年9月9日
登山口付近の樹木の伐採作業から遊歩道開発の第一歩を踏み出す。
倒木を整理して、登山口の整理。
平成20年9月16日
樹木の伐採