promenade.html へのリンク

promenade.html へのリンク

可部の神社・仏閣を訪ねて

福王寺

 可部庄の平野を見渡す山頂の上に真言密教の福王寺が建立され(中世期鎌倉時代)弘法太子の開祖と伝えられています。
 本堂の不動明王は、座高3,08メートル、胸高直径は1,8メートル余、檜に両足を開いて立ついわゆる立ち木木造であって、両肘や、手先まで共木で造り出し、また両足の下は自然の根となっており、立ち木仏の面目を伝える代表的な仏像です。
 その彫刻年代は山上霊木に仏像を刻みつける信仰が行われた、藤原時代か、鎌倉時代の作と考えられます。
 江戸時代、京都御室、仁和寺を本寺とし、寺領ニ千石の勢力として栄えますが、在地領主の没後、移動、真宗勢力の圧倒的な浸透により衰退し本寺も廃絶、あるいは真宗に開祖し、近世には全く衰え、寺領僅か九石を残して広島城福島氏に没収されます。


 1779年火災により本堂などを消失しますが、再建され本堂、諸天堂、ニ王門、蔵裏、熊野神社、厳島神社が、現存しています。昭和に入って落雷により再び本殿を消失しますが、地元の有志により再建されています。
 山門を抜けると、天を尽く杉並木の中に威風堂々たる本殿を拝むことが出来ます。


   福王寺 参拝詣り紀行文 


 可部の町の歴史を語る中で、福王寺ほど多くの歴史を潜めているお寺はなく、それほどまでに可部の誕生に大きなかかわりを持っています。福王寺は町民の心の癒しの空間です。1200年前からの深い眠りの中で、天平の臭いが息づいている場所です。
国道191号、福王寺口には石門が二本、ここからが参堂不動坂を経て二十八丁で山門とある。六丁ばかり登ると団地を抜ける、石標は二十二丁自然は深くなりこのあたりから密教の僧、空海の歩いた路となる。
 参堂を一丁一丁歩んで行くと苔むす地蔵尊が木漏れ日の中楚々として佇み、俗の心を遠のけて行く、石標は後三丁、南原からの参道太子坂と出会う、このあたりからは仏の路、爽やかな風が通りぬけ、山の臭いが立ち込める中に仁王尊の山門が開ける。
仁王さんは、阿吽の呼吸よろしくすごい形相をしてお寺を守る仏様、山門に向かって右が吽形像、左が阿形像で、1200年の歳月をかけて不動明王を守る。
 山門を過ぎると真正面は急峻な石段、ゆっくりと登って前を見上げると、天を突く灯明杉(樹齢700年)の中に本堂(金堂)がそそり立つ、由緒ある格式高い瀟洒な建築美は密教真言宗のお寺の中でもまれに見る名刹である。
 不動明王は、目は釣りあがって眼光鋭く、手には剣と索を持ちいかにも怖い、大日如来が世俗悪をやっつけるために不動明王を呼んだといわれている。不動明王はまっ赤な焔の中に立つ、焔は憤怒のシンボルです。
 本堂から四国八十八ヶ所の本尊を模刻した八十八体仏が山頂の周辺をめぐる。ゆっくり巡業しても30分、どんなに忙しくても巡礼を試みたい、巡業路は六十四仏で金亀池に出る、静寂の中1200年前の遠い平安の昔から、ずーと変わりなく続いてきた歴史の夢を見ながらめぐる天平の里はやがて黄昏てくる。帰り際、鐘楼の鐘を一つだけ撞くと、鐘の音は梵音、仏の声、別れを告げながらゴォーンと谷から空えと消えていく。


石標二十二丁

南原太子坂
山門
吽形像

阿形像

本堂(金堂)

不動明王

阿弥陀堂(方丈)

客殿(庫裏)

太子堂(御影堂

熊野権現

稲荷神社

秋葉社

武田氏信供養塔

石仏11番礼

厳島神社

金亀池散策路

石仏65番礼

鐘楼

無我

仁王門(山門)
福王寺金堂を背にして達ち、門の中の通路を挟んで両側に護法の立役者金剛力士像が一対安置されている。この仁王門は安土桃山時代の建築で福王寺に現存する最古の建物といわれています。

金堂(本堂)
昭和52年9月 落雷による火災で金堂を焼失、今ある建物は昭和57年に再建されたものですが、本堂の歴史は古く、1200年前、空海により一本の大木を削って立ち木仏、不動明王を安置したことに始まり、立木彫刻の流行した年代から推測しても、藤原、鎌倉時代には建立されていたものとされています。
消失した不動明王は京都で修理され、現在は体内仏として不動明王の体内に安置されています。

阿弥陀堂 
1851年(嘉永4年)の再建で、左右廻廊を連ねて金堂、客殿に至り阿弥陀如来を安置しています。

客 殿
1910年(明治43年)再建され、大広間は参拝者の休憩所に利用されています。かっては、青少年の合宿訓練や写経者の宿泊にも利用されていました。

熊野三社
1707年(宝永4年)の再建、権現造り・銅板葺き・拝殿および神殿があり,当山の鎮守で熊野三社権現をお祀りしています。その全面左右には稲荷堂、金比羅堂がある。

武田氏信の供養塔
武田山の金山城の初代城主、安芸国守護職武田氏信は、1313年(正和年)荒れ果てた福王寺の再建をされた後禅智上人の協力者として20年の歳月を要して再建守護してきた功績を供養して建てられたもの。


街中のお寺さん   神社と史跡       お地蔵さん
 
福王寺と武田氏 三滝観音寺と武田氏 安国寺 不動院

TOPぺーじに                          プロムナードに戻る